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中国市場攻略ベスト施策は「RED」×「WeChat」

日本企業が中国市場を攻略するには

消費市場が世界でも最大規模の中国市場への進出を目指す日本企業は近年増加傾向にあります。 ただ、文化の違い、消費傾向の違いなど、従来のマーケティング手法では中国市場で勝ち抜いていくことはできません。SNSの発展が著しい中国では、従来の広告やオフラインマーケティングではなく、SNSマーケティングこそが成功のカギと言えるでしょう。中でも消費行動につながるブランドマーケティング手段として有効なのは「RED(小紅書)」「WeChat(微信)」です。新規顧客の開拓から既存顧客の維持までを担う主要なプラットフォームとして、これらのSNSを活用するにはどうすればよいのかをご紹介します。

RED(小紅書)~新規顧客の開拓~


「RED(小紅書)」は中国の特にZ世代の消費行動に高い影響力を持つSNSです。美容、ファッション、ライフスタイル分野において、ブランド認知度の拡大や興味喚起、消費行動につながる信頼度の向上など、新規顧客の開拓に欠かせない要素を満たしています。また、最近では、旅行やグルメ、エンタメ分野での影響力も増しており、インバウンド戦略にも欠かせないプラットフォームとなっています。中国市場開拓において「RED」はまずマスト施策と言えるでしょう。

「LOFT」RED公式アカウント

【1】REDコンテンツ戦略

RED戦略において重要なのはコンテンツです。中国の消費者にはいかにも広告的な投稿はあまり受け入れられません。それよりも体験ベースのレビューやユーザーの生活に根差したリアルな投稿などが閲覧数、信頼性共に高くなる傾向にあります。具体的には以下のような戦略が効果的です。

■KOL/KOCの起用

SNSで影響力が高いのはインフルエンサー(KOL=Key Opinion Leader)と言われる方々の投稿ですが、REDにおいてはKOC(=Key Opinion Consumer)と言われる一般ユーザーの投稿も非常に影響力が高いのが特徴です。KOL/KOCを起用して実体験に基づいた投稿をシェアしてもらうことで、信頼性の高い情報を提供することができます。

KOL「大口智惠美Chiemi」アカウント(30.6万フォロワー)
KOC「Kakin」アカウント(約9000フォロワー)

■ストーリーのあるコンテンツ制作

REDにおいてエンゲージメントが高くなる投稿の特徴としてストーリー性が挙げられます。商品そのものだけを紹介するのではなく、次のような投稿がユーザーの共感を得やすい傾向にあります。

  • 日常シーンの中に溶け込んでいる様子を伝える
  • 日常的な悩みを解決するアイテムとして紹介する
  • 投稿者のマストアイテムとして紹介する
  • 複数の商品を同時に紹介する
  • Before/Afterを比較する など

例えば、「東京旅行で必ず買うべきお土産」「日本のドラッグストアで買うべきおすすめアイテム」のようなテーマや、「睡眠不足のときのマストアイテム」「話題の〇〇使ってみた」のような投稿が人気です。

KOL「BoBo酱in日本」アカウント(12.5万フォロワー)

UGC(ユーザー生成コンテンツ)の活用

すでに商品を購入した消費者にレビュー投稿を促したり、サンプリング施策を実施してレビュー投稿を促したりすることで、商品やブランドの認知度、信頼性を向上させることができます。この場合、フォロワー数が1万人以下のKOCであっても、むしろ親しみやすさや信憑性という点においてプラスになると言えます。また、投稿者にクーポンなどの特典を提供することで、より多くの投稿を集めることも可能です。

【2】REDのメリット

コンテンツが重要、フォロワー数がメガ級でなくても影響力を与えられるなどの特徴があるREDですが、マーケティングツールとして活用する場合のメリットは主に次の3点が挙げられます。

■ターゲットユーザーとの親和性が高い

REDの主なユーザー層は20〜30代の女性であり、スキンケア、コスメ、ファッション、日用品など、多くの日本ブランドのターゲット層と一致しています。特にこれからの市場開拓に欠かせないZ世代においても、REDの影響力は非常に大きいと言えます。

■「種まき効果」が強い

中国の消費行動において、REDで商品情報を検索し、レビューやクチコミを見て気に入った場合に購入する、という流れが一般的です。つまり、コンテンツが直接売上につながる可能性が高く、良質なコンテンツは売上への貢献度が高くなります

■長期的に影響力が続く

REDの投稿は長期間にわたって検索・閲覧され続けるという特徴があります。これは中国の他のSNSよりも顕著で、REDが販売戦略のプラットフォームとして有効である理由の一つです。このようにREDのコンテンツは一過性の広告とは異なり継続的な効果が期待できます。

 WeChat(微信)~リピート促進とブランドロイヤルティの向上~


REDが顧客開拓のきっかけとして非常に重要なのに対して、顧客維持のために重要なのが「WeChat(微信)」です。WeChatは中国最大のソーシャルプラットフォームで、単なるコミュニケーションツールとしてではなく、企業が顧客と長期的な関係を築くために重要なプラットフォームです。

【1】WeChat活用戦略

WeChat戦略において重要なのは、その豊富な機能をいかに活用するかです。WeChatを媒介として企業は顧客と簡単につながることができ、顧客の維持、リピート率の向上、ブランドロイヤルティの強化などに効果を発揮することができます。

「LOFT」WeChat公式アカウント

■公式アカウントの運用

企業のWeChat公式アカウントを開設し、商品情報やクーポンはもちろん、ブランドストーリーやフォロワー限定情報などを定期的に配信することで、顧客との関係を維持することができます。

「Right-on」WeChat公式アカウント(クーポン)

■WeChatグループマーケティング

顧客をWeChatグループに招待し、管理人(スタッフ)を中心としたチャットコミュニティを運営します。管理人がメンバーからの質問に答えたり、新作やセールのお知らせ、メンバー限定クーポンを配信したりすることで、メンバー同士の連帯感が生まれ、より強固なファン層を獲得することができます。

■WeChatミニプログラムの活用

WeChatの大きな特徴の一つが、ミニプログラム機能です。ミニプログラムを活用すれば、公式アカウントだけでは実装できない販売や予約などを行うことができます。会員限定のキャンペーンなども実施でき、即購入やリピート購入を促進することが可能です。

■パーソナライズされたサービス

WeChatでは顧客との個別チャットを行うことができます。特に高級ブランドなどでは、この個別チャットを活用したカスタマーサポートを提供することで、顧客満足度向上に役立てています。

【2】WeChatのメリット

機能が豊富で顧客とのより良い関係を構築しやすいという特徴があるWeChatですが、マーケティングツールとして活用する場合のメリットは主に次の3点です。

■私域流量(プライベートトラフィック)の活用

WeChatでは顧客と直接コミュニケーションを取ることができるので、外部プラットフォームのアルゴリズムに依存しないブランド独自のマーケティングを実現することができます。

■ユーザーとの密接な関係を構築

公式アカウント、グループチャット、個別チャットなどを通じて、顧客であるユーザーとの関係を強固にすることができます。ブランドのファンを増やすことで、ブランドロイヤルティを向上させ、リピート購入につなげることができます。

■スムーズな決済

WeChatにはWeChat Pay機能が備わっているので、この決済方法を活用すれば、シームレスなサービス提供が可能になります。スムーズな決済により顧客の購買意欲を下げることなく売上につなげることができます。

「RED」×「WeChat」~相乗効果で継続的な市場獲得~


ここまででREDとWeChatそれぞれの特徴とメリットを紹介しました。新規顧客に強いREDと既存顧客に強いWeChat、この2つのプラットフォームを連携させたマーケティングを行うことで、相乗的に効果を拡大することが可能です。次の流れでプロモーションを実施すれば、低コストでより高いパフォーマンスが期待できます。

  1. 【RED戦略】ブランド認知度の拡大から顧客獲得まで
  2. 【WeChat戦略①】顧客情報の取得と関係構築
  3. 【WeChat戦略②】顧客向けの特別な情報提供でリピート購入促進

例えば、REDのKOL/KOC 施策により認知度を高め、初回購入や初回来店につなげます。次に、購入時や来店時にWeChat公式アカウントのフォローリターンとしてクーポンを勧め、フォロワーを獲得します。そのあとは、WeChatでフォロワー向けの特別な情報を提供することで、リピート購入につなげることができます。また、フォロワーとの良好な関係を構築することで、より愛着を持ったブランドファンを育成することができれば、そのファンがREDに投稿するというスパイラル効果が自然と生まれます。この流れを確立できれば、ブランドロイヤルティは継続的に向上して行くでしょう。

このように、日本企業が中国市場を開拓するには、「RED」「WeChat」を知り、使いこなすことが最重要課題と言えます。当サイトで掲載中の以下の資料もぜひご活用ください。


中国市場攻略に関するお問合せはこちら:https://www.aainc.co.jp/mk/request/01842.html

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